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アーバンリッチへの道
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風水で快適生活
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 第十二回 暦(こよみ)
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 第十回 緑樹
 第九回 門松
 第八回 螺旋水路
 第七回 お中元
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 第五回 ひな祭り
 第四回 節分
 第三回 恵方
 第二回 地鎮祭
 第一回 鬼門
風水で快適生活

第三回 恵方
文/戸矢 学

寿司屋の陰謀?
 

デパ地下のワゴン販売で「恵方巻き」というラベルの貼られた太巻き寿司を、去年初めて目にして驚きました。これがなんと「風水行事」なのだそうです。

ご存じのかたも多いのかと思いますが、節分の日に太巻寿司を「恵方」に向かって丸ごと黙って食べきると、その年の「福」を呼ぶ(と、解説のラベルに書いてありました)。

友人の新聞記者に聞いてみると、もともとは大阪・船場のローカルな風習だったようですが、1977年に大阪海苔問屋協同組合が節分のイベントとして開催、それをマスコミが取り上げ、寿司屋・海苔屋が便乗して広まったようです。今ではコンビニの季節商品として「恵方巻き」は予約販売さえしているとのこと。

バレンタイン・デーのチョコレートと一緒で、本来のものとは縁もゆかりもない行事ですが、両方とも二月というのは意味があります。「二八(ニッパチ)」は、商売低迷の月と昔から相場は決まっていて、時代が変わってもこの現実は変わらないようです。

ちなみに「土用のウナギ」もドウヨウです。これは平賀源内の陰謀! だったと言われています。

「土用」というのは風水で季節の中間に位置する時を云います。

風水五行図

この表のようになりますが、春夏秋冬すべての季節に土用はあります。夏だけではありません。
夏は立秋前の18日間、その初日を「土用の入り」と呼びます。

源内先生は夏の土用の丑(うし)の日だけを「ウナギの日」として制定しましたが、これは鰻屋に頼まれて発案したと云われています。

実は真夏のその頃は一年で最も鰻が痩せている時期でおいしくない!。
しかも暑い盛りですから、蒲焼きのような濃厚で熱々のものよりも、本当は冷たくてさっぱりしたものが食べたいのが人情です。

つまり、鰻屋にとって、こんな都合の悪い季節はない。
そこで源内先生に「なんとかなりませんかねえ」と頼んで誕生したのが「土用のウナギ」という販売促進戦略、セールス・プロモーションなのです。

筆者は個人的に鰻の蒲焼きが大好物なので季節に関わりなくいつでも食しますが、ありていに言うなら「真夏の鰻はイマイチ」ですね。

 
「恵方」って何?
 

そんな訳で「恵方巻き」にはあまり深い意味はありません。太巻き一本は、けっこう分量があるし、お茶も飲まずにそれを一気喰いするとなると喉に詰まらせないようにどうぞ気をつけてお召し上がりください・・・・・。

しかし「恵方」というのは、その年の良い運気の方位で、何か大事なことをするならその方位方角が良いということです。

恵方図 本年2004年の恵方は甲(きのえ)の方位が恵方ですが、東微北(ひがし・びほく)という言い方もします。東微北というのは、東北東ではありません。東北東というのは西洋式の16分割した方位の名称です。それに対して恵方は干支の24分割した方位です。

右図のように、恵方はその年の十干により4つの方位を巡行します。

 

十 干 恵 方 (歳徳方)
甲の方位 (東微北) 平成16 (2004) 平成21 (2009) 平成26 (2014)
庚の方位 (西微南) 平成17 (2005) 平成22 (2010) 平成27 (2015)
丙の方位 (南微東) 平成18 (2006) 平成23 (2011) 平成28 (2016)
壬の方位 (北微西) 平成19 (2007) 平成24 (2012) 平成29 (2017)
中央 *または丙の方位 平成20 (2008) 平成25 (2013) 平成30 (2018)

 
初詣は富士山へ?
 

「初詣は毎年○○神社へ行くことにしているんですよ」とはよく聞く言い方ですが、実は「恵方詣(えほうもうで)」「恵方参り」がその発祥です。
その年の恵方、つまり「良い方角」の社寺に詣でるというものです。

年回りの神様・歳徳神(としとくじん)が巡って来ている方位を恵方としますが、「兄方」「得方」などとも書き、その年の「万事OK!」という吉方位です。

新年の若水(わかみず)を汲む、いわゆる「お水取り」も、恵方の井戸を目指します。
新年・平成17年の恵方は庚(かのえ)の方位(西微南)ですから、あなたがもし東京の都心部にお住まいなら富士山の方角になります。新年にはぴったりですね!
ちなみに、京都の神泉苑境内に恵方社(えほうしゃ)という小さな社(やしろ)があります。1m四方ほどの小さなお社です。

なぜ「恵方社」と云うか?
なんと、このお社は「回転する」ようになっていて、毎年その年の恵方へ向けて回転するのです!

恵方社 左の写真でお分かりのように、どの角度になっても良いように、礎石が井戸のように円形になっています。こんな構造のお社は、筆者の知る限り和歌山の春日社境内と、ここと、二社のみかと思います。

毎年大晦日の夜10時半、住職が読経をおこなった後(現在では恵方社は真言宗東寺派の寺の一部です)、数人掛かりで新年の恵方を向くように回転させます。今年の大晦日に京都に滞在予定のかたは、ぜひお参りしてみてください。神社が回転するところ、なんて滅多に見られるものではありません。一見の価値あり! 話のネタにもなる!

それに、ここ神泉苑は風水=陰陽道には最も縁の深い場所でもあります。
安倍晴明の呪術対決や、空海の降雨祈願など、歴史に残る風水イベントの数々がおこなわれたところです。また神泉苑大池は、かねてより龍の栖(すみか)と云われています。

恵方社は、そんな神泉苑の出入り口を守るように建っています

それにしても、毎年一番良い方角に向きを変えられるとは何と都合の良いことか! 私たちの家も、毎年ぐるりと向きを変えられるといいですね。そうすれば、いつも良い運気ばかりということになる。「回転する家」──想像するだけで、なんだかわくわくしてきます。

(第3回 了)
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