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アーバンリッチへの道
不動産の話
風水で快適生活
 第十七回 婚礼
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 第十二回 暦(こよみ)
 第十一回 梅雨
 第十回 緑樹
 第九回 門松
 第八回 螺旋水路
 第七回 お中元
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 第五回 ひな祭り
 第四回 節分
 第三回 恵方
 第二回 地鎮祭
 第一回 鬼門
風水で快適生活

第十七回 婚礼
文/戸矢 学
 

それでも女性は教会が好き?!
 
 ウェディング専門誌の調査によりますと、日本人の結婚式の約61%が、いわゆる「キリスト教式」とのこと。
 これに対して、「神前式」が16%、「人前式」も16%となっています。
 しかし現在の日本人に「キリスト教徒」は、わずか1%です。
 つまり、不信心の俄(にわか)信徒が、毎年大量に発生する、というわけですね。
 ガイジンさんから見ると、「実にニッポン的な珍現象」だそうです。
 これはきっと、日本女性たちがファッショナブルなウェディング・ドレスやヴァージン・ロードに憧れることに起因しているのでしょう。
 近年では「ジューン・ブライド」への憧れも加わっています。
 直訳すれば「6月の花嫁」ですね。
 これも「ヨーロッパ・イメージ」の一つですが、なぜこれが「祝福」とつながるのか、ご存じでしょうか?
 実はヨーロッパでは、6月というのは一年で最も雨の少ない時期なのです。青空に、ちょうど花々も開花の季節です。
 しかも復活祭があります。
 まさに祝祭にはぴったりの月だということで、この月を選んで結婚する男女が増えたという歴史が、ヨーロッパにはあるのです。
 しかし日本では、どうでしょう?
 6月は、梅雨(つゆ)のまっただ中! 
 いうまでもなく、ヨーロッパとは真反対に、一年中で最も雨の多い季節です。私なら、むしろ6月だけは避けたいと思いますが──。
 
造られた「結婚」?!
 
 ところで「結婚」という言葉は、明治時代に造られた新造日本語です。
 Marriageを、「結婚」と訳しました。
 だから「結婚式」も、新しい言葉です。
 結婚は「婚姻」や「祝言」という言葉が古くから存在しているし、結婚式も「婚礼」という言葉がすでにありました。
 「冠婚葬祭」の「婚」は、いうまでもないことですが婚姻・婚礼・婚儀の婚です。
 それなのに、なぜわざわざ“造語”する必要があったのでしょうか?
 明治時代には、多くの新語・造語が誕生しています。
 英語を翻訳するのに、それまで日本にその概念自体が存在しなかったものについて、「新たな日本語」を発明したものです。いくつか紹介してみましょう。
 philosophy → 哲学
 science   → 科学
 she     → 彼女
 time    → 時間
 Individual → 個人
 honey-moon → 新婚旅行
 ──これらは、ほんの一例です。
 現在の私たちは、これらをごく当たり前の日本語として使っていますが、実は明治の日本人の発明なのです。
 一見、漢語に見えますが、漢土には存在しないオリジナルの日本語です(しかし現在では、これらの多くは中国に逆輸入されて使われるようにもなっています)。
 「結婚」は、もちろん古来、日本にもあります。それなら、どうして?
 おそらく「契約としての婚姻」という意味で、日本人のそれまでの概念と区別するために造語したのではないかと私は考えています。
 「婚」を「結ぶ」という表現に、その意図が見えますね。
 明治になって、新たな戸籍制度がつくられました。
 その結果、「入籍」つまり「籍を入れる」のが結婚、「籍を抜く」のが離婚になります。
 法的に厳格な意味を表すための新語であったのではないでしょうか。
 それまでの日本の婚姻は、そういった法的制度とは無関係に成り立っていましたから、いわば「新しい制度」なのだということを知らしめる効果もあったと思われます。
 
古(いにしえ)から営(いとな)まれる結婚式?!
 
 「日本の結婚式は、大正時代に始められた」
 という社会通念が、いつの間にか定着しているようですが、もちろんそんなことはありません。
 例の“自虐史観”の一種です。
 その“史観”の根拠は、現在の結婚式のスタイルが、大正天皇の結婚式を見習って創作したものだから、というものです。
 しかし、それは事実です。
 一般の人が「神前結婚」というものを目にする機会はそれまでほとんどありませんでした。
 公家、および神社関係者には当然のことでしたが、一般の人たちには縁の薄いものです。
 明治33年に、時の皇太子(後の大正天皇)の御婚儀が宮中三殿においておこなわれました。
 この報道に触発されて、「自分たちも神前で結婚式を挙げたい」という気運が国民の間に高まりました。
 そこで、東京の神宮奉賛会(伊勢神宮の東京出張所)が、皇室の婚儀次第をもとに、現在の形の神前結婚式を考案。
 これによって、一般庶民も神前結婚式を挙げられるようになりました。
 ちなみに神宮奉賛会は、その後「東京大神宮」となって、「結婚式場」としてもおおいに賑わっています。
 伊勢までは、ちょっと遠いと思う人も、どうぞ東京大神宮にお参りください。
 
マイ・ホーム・ウェディングは、いかが?!
 
 NHKの大河ドラマ『篤姫』で、小松帯刀(尚五郎)の婚礼が、小松家の座敷でおこなわれていましたが、かつてはどこの家でもそれが普通のことでした。
 嫁は嫁ぎ先の家に入り、そこで夫となる者と初めて同席し、集まった人たちに報告・披露します。
 この時に、床の間、あるいは最上席に神棚を設けます。
 神棚には「祖神」「祖先」が祀(まつ)られています。
 つまり、結婚を祖神・祖先に奉告する、という意味ですね。
 祖神というのは、氏神のことで、祖先は、もちろん父祖代々の霊位です。
 日本の各家々には神棚と仏壇が必ずあって、そこには先祖の神様や、先祖代々の霊位が祀られています。
 「こうして子孫は婚姻し、ますます栄えております。これからも、どうぞ見守ってください」
 と、奉告するのが婚姻の「式」ということになります。
 式が神社でおこなわれるようになると、祖神・祖先にさらに「産土神(うぶすながみ)」が加わります。
 産土神というのは、その人が生まれた土地の神様のことです。
 神から人に至るまで、これでめでたく、奉告すべきはすべて完結する、というわけですね。
 つまり、地元の神社でおこなわれる神前結婚式は、婚姻の意味を考えれば、完璧な形、ということになります。
 都市部では産土神や地域との関わりが薄くなっていますが、それならばいっそのこと、昔のように自宅で結婚式を挙げてみてはいかがでしょう?
 一戸建て住宅はもちろん、マンションでもじゅうぶん可能です。
 神主さんは、もちろん気軽に出張してくれますよ!
 祝詞奏上やお祓いによって、自宅の運気も浄化されて高まります。
 これから結婚を考えている人、あるいは近々結婚を控えている家族がいる人、結婚式・披露宴を、ご家庭でおこなってみませんか?
 文字通りの「アット・ホーム」な会になると思います!
(第17回 了)
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